- 1. はじめに
- 2. 「壁」ってなに?
- 3. 2025年の税制改正:103万円から123万円へ!
- 4. マイクロ法人での役員報酬の設定にどう影響する?
- 5. 社会保険料の影響は?
- 6. 実際に役員報酬を変更する際の手続き
- 7. さいごに
1. はじめに
2025年の税制改正が話題になっていますね。この改正は、私たちのようなマイクロ法人(合同会社)にも大きな影響を与えます。
私自身もマイクロ法人を運営しており、今回の改正を受けてどんな変更が必要なのか、役員報酬や社会保険料について考えをまとめてみました。
この記事では、税制改正の概要と、それが私たちの生活や法人運営にどう影響するのかを、わかりやすく解説します!
2. 「壁」ってなに?
2024年は「103万円の壁」という言葉が注目された年でしたね。でも、「壁」って具体的に何のことかわからない方も多いのではないでしょうか?
簡単に説明すると、パートやアルバイトの方が年収を調整するきっかけとなるラインのことです。
例えば「103万円の壁」は、基礎控除(48万円)と給与所得控除(55万円)の合計で成り立っています。
- 基礎控除:48万円
- 給与所得控除:55万円
- 合計:103万円
この金額を超えると所得税がかかる仕組みだったのですが、2025年からはこれが変わります。
3. 2025年の税制改正:103万円から123万円へ!
今回の税制改正では、所得税と住民税の両方で、基礎控除や給与所得控除が引き上げられることになりました。それぞれを詳しく見てみましょう。
まず、所得税においては、基礎控除と給与所得控除が引き上げられます。
- 基礎控除:48万円 → 58万円
- 給与所得控除:55万円 → 65万円
- 合計控除額:103万円 → 123万円
これにより、所得税が課税されるラインが103万円から123万円へ引き上げられ、非課税枠が20万円広がります。これまで「103万円の壁」として意識されていたラインが大きく変わり、所得税がかからず働ける収入の範囲が増えるのが特徴です。
住民税の変更
一方で、住民税についても給与所得控除が同様に引き上げられます。最低控除額が55万円から65万円に増額されることで、住民税の課税対象となる収入の最低ラインが高くなります。改正後の新しい控除額は、以下の通りです。
- 給与所得控除:55万円 → 65万円
住民税の改正は2026年(令和8年度)分以降に適用されるため、所得税よりも1年遅れての反映となりますが、税負担が軽減されるメリットは大きいでしょう。
このように、2025年の税制改正では、所得税も住民税も「最低ライン」が変更となり、控除額が10万円増える形になっています。これにより、マイクロ法人を運営する私たちの役員報酬や収入の設定に、より大きな選択肢が生まれます。
4. マイクロ法人での役員報酬の設定にどう影響する?
これまで私の役員報酬は、103万円の壁を意識して、税金がかからないギリギリのラインで設定していました。しかし、123万円まで非課税枠が広がるので、役員報酬も見直す必要があります。
実際にどう変える?
2025年からは役員報酬を次のように改定します。
- 現状の役員報酬:45,800円(月額)
- 改定後の役員報酬:54,000円(月額)
これで、年間の役員報酬は約65万円となり、非課税枠を最大限に活用する形になります。もちろん、これに合わせて給与を変更する際は、次のルールを守ることが重要です。
- 期首から3か月以内に報酬を決める
- 報酬は期中で同額を支給する
- 決定内容を議事録に残す
役員報酬の変更にはしっかりとした手続きが求められるので、忘れずに対応しましょう。
5. 社会保険料の影響は?
マイクロ法人を設立する理由の一つに、社会保険料の最適化がありますよね。私もその一人です。では、今回の税制改正が社会保険料にどう影響するのでしょうか?
報酬月額の基準は変わらず
現状、社会保険料の報酬月額等級1(標準報酬月額58,000円)が最低ラインです。今回の改正で、この基準に大きな変更はありません。
つまり、これまで通り報酬額を工夫することで、社会保険料を抑えることが可能です。
ただし、役員報酬を引き上げる場合、社会保険料も増える可能性があるため注意が必要です。改定後の報酬額で最適なラインを考えて設定しましょう。
参照)令和6年度保険料額表(令和6年3月分から) | 協会けんぽ | 全国健康保険協会
6. 実際に役員報酬を変更する際の手続き
役員報酬を変更する際には、以下の手続きを忘れずに行いましょう。
- 社員総会議事録を作成
役員報酬の変更内容を明記し、記録を残します。 - 税務署への届出は不要
合同会社の場合、定期同額給与に該当するなら、税務署への届出は不要です。
これらの手続きをしっかり守ることで、税務トラブルを防ぐことができます。
以下は、議事録の例です:
7. さいごに
2025年の税制改正は、マイクロ法人を運営する私たちにとっても重要な転機です。「123万円の壁」ができたことで、役員報酬の設定や社会保険料の調整に幅が広がりました。
今回の改正をきっかけに、役員報酬を見直してみてはいかがでしょうか?
この記事が、みなさんの法人運営に少しでも役立てば幸いです!
参考サイト
注意
この記事は筆者の体験を基に作成したもので、正確性を保証するものではありません。具体的な判断には専門家への相談をお勧めします。
ぜひ、改定後の準備に役立ててください! 😊